植え付け時期:4月下旬から5月上旬(関東地方)
ナス科の植物ですが原産はアンデスです。南米のエクアドルやペルーの辺りです。
トマトは生食用、ジュース用、加熱調理用に分けられます。
このうち、生食用はサイズによって大玉、中玉、ミニトマトの3種類になります。
最近はマイクロトマトなる極小トマトもあるようです。
ちなみにベータカロチン、ビタミンC、リコペン、グルタミン酸が多いのはジュース用、加熱調理用です。
また、トマトは芯止まり性と非芯止まり性に分けられます。
ふつう栽培されているのは非芯止まり性(支柱栽培用)でわき芽はすべて摘み取って一本仕立てにします。
これに対し、芯止まり性(地這い栽培用)は主枝もわき芽もある程度の長さで生育が止まります。
そのため、わき芽も伸ばして地這い栽培をします。
芯止まり性の見分けは第1花房と第2花房との間にある葉の数で見ます。
3枚の時は非芯止まり性、1〜2枚の時は芯止まり性になります。
育て方の基本
ナス科ですがアンデス原産ですので、水は乾かし気味、日光大好きなミニトマトです。肥料はやりすぎない。
わき芽は摘んで1本仕立てにする。
用意するもの
・接ぎ木苗2本
双葉の枯れていない本葉が8、9枚ついた茎の太いもの。
苗には
または、デルモンテ等から発売されているのワクチン接種苗(写真)も病気に強い苗です。価格は高めですが。
接木苗の詳細は「ナスの育て方」を参考にしてください。
ミニトマト(トゥインクル)苗 中玉トマト(ビタミンエース)苗
・プランター(60〜65cm) 1鉢
幅64×奥行38×深さ23cmぐらいの菜園プランターがおすすめサイズです。容量は30L以上。
写真は2008年に追加購入した物です。
「野菜プランター700」 立体スノコで通気性が良い? 「菜園上手 丸36型」
野菜プランター70×30×27.3 容量42L 鉢底石がいらない? 支柱留め具がついた物
支柱ホルダーが2本付属しています。 深さ30cm容量20L
・野菜用培養土14〜25L 1〜2袋
培養土は極端に安価でないもの(経験的に)。25Lで500円ぐらいから。
アイリスオーヤマの粒状培養土は水はけも良く最適です。根の張りが違います。でも高い。25Lで980円ぐらい。
・鉢底石/鉢底の土
水はけと根腐れ防止のためプランターの底に2〜3cm敷く。
写真はガラスのリサイクル材で超軽量タイプです。12Lで1.5Kgしかありません。
ジャガイモやタマネギを入れる野菜ネット袋を使えば、再利用の時に用土と鉢底石が混ざりません。(おすすめ)
・仮支柱(60cmぐらい) 2本
イボ竹と呼ばれる園芸支柱など。イボ竹のサイズは直径8mmからなので、もっと細い支柱でもよい。
写真の上段は4mmの園芸支柱です。(蘭などの支柱用)
・本支柱(180〜210cmぐらい) 2本
イボ竹と呼ばれる園芸支柱。最低2本必要。太さは直径16mmぐらいのもの。(写真の中段、下段は8mmの細いものです)
できれば風等に耐えるために数本で組むのが望ましい。
※イボ竹は1本、5本パックがあります。もちろん5本パックがお買い得です。
・細いひもまたはビニタイ
園芸用の麻ひもまたはビニタイ。ビニタイ(ダイソーなら105円)の方が作業が楽です。
・肥料(野菜用)
トマト専用でなくても野菜用ならOK。
化成肥料がダメという訳ではありませんが家庭菜園なら有機肥料でオーガニック栽培をおすすめします。
もっとも元肥入り培養土や苗自体には化成肥料が含まれていると思いますが。
また、水に溶けやすい化成肥料よりゆっくりと効き効果が持続する緩効性肥料がプランター栽培には適しています。
おすすめ肥料はアフセップベジタブル(500gで980円)などの有機肥料。
→日本アフセップ株式会社のHPへ (取り扱いのあるホームセンターも記載されています。)
日照
・半日程度の日当たりがあればOK。
植え付け
・深型プランタの底に鉢底石(鉢底土)を2〜3cmほど入れ、その上に培養土を入れます。
・ミニトマトの苗はすぐに植え付けずに最初の花が咲いてから植える。この時、少し大きめの鉢に移して育てると良いでしょう。
根鉢を崩さずにまた、深植えにならないようにして植える。根元には少し土を盛る感じ。
この時、花が見える方向を外側にすると収穫の時に楽です。 (写真の苗はまだ花が咲いていませんが)
プランタ一つに2苗植える。
支柱ホルダー(直径16mmまで)には本支柱も立ててしまいました。
しっかり根を張らしてから育てるためにプランターのスペースに余裕があれば苗は少し斜めに植える。
・植え付け後60cmぐらいの棒か無ければ割り箸等で仮支柱をたてる。
支柱と苗はひもまたはビニタイで8の字にゆるめに結ぶ。
・たっぷり水をあげて、(可能であれば)一週間ぐらいは明るい日陰で育て、その後、日向にだす。(しっかり根を張らすため)
水やり
・乾かし気味。毎日水をあげる必要はありません。(真夏を除く)
できれば水は水道から直接あげず、くみ置きしたものをあげます。冷水で根を冷やさないためです。(あまり神経質になることもありませんが)
土の表面が乾いたら、プランターの底から水が出るまでたっぷりあげます。
ミニトマトに限らず、ちょこちょこ水をあげるのは厳禁です。
水やりは水分の補給はもちろん、根に新鮮な酸素を送り、土中の古い空気や不要成分を排出する役割もあります。
乾いたらたっぷり。これが基本です。 菜園プランターで通常4〜5Lぐらいになります。
・根元、葉や花にはかけない。(苗が小さいときは根元にあげる)
わき芽取り(これが大事)
・株と実を充実させるため晴天の日にわき芽は指ですべてかいて1本仕立てにする。(ハサミはだめ)
取ったところからも再度、芽が出る時があるので、その都度、取るようにします。
支柱たて・誘引
・苗が伸びてきたら早めに本支柱を立てる。位置は株元から10〜15cm離れたところ。
花房の出ている方向と反対側に立てると、実が支柱との間に挟まらない。
誘引は苗と支柱を8の字でゆるく結ぶ。苗が伸びるごとに誘引する。 遅くなると、まっすぐに伸びません。
肥料
・第1花房がなってから2週間に1回ぐらい追肥する。(肥料の説明書に従う)
・やりすぎると茎葉ばかり育ってしまいます。
肥料は市販の野菜用液肥や配合肥料。有機野菜をめざすなら有機肥料。
肥料は根元にやらず鉢の縁に数カ所に分けてにあげる。
・ミニトマトは下から葉が8枚付くと最初の花(第1花房)がつき、 その後、葉が3枚付くごとに次の花(第2花房〜)が咲きます。
これらは90度ずつ、ずれて葉と花がつくので、花は常に同じ向きにつくことになります。
1花房あたり10〜20個前後の花がつきますが、プランタが小さいときは少し間引きしてしまう。
・また、花が咲いたら支柱や花を軽くたたいて、花粉をだして受粉しやすくする。 (虫が飛んでくる環境なら不要です)
トマトトーンは使用していません。
・追肥の時に、土の表面を軽く耕したり、新しい土を1cmほど足してやると生育に効果的です。
摘芯/摘心
・ミニトマトは第4〜6花房まで花が付いたら、その上3枚の葉を残して摘芯(茎の部分からきれいなハサミで切る)します。
気候や生育状況が良ければ、もう2,3花房伸ばしても良いかも。
収穫
・花が咲いてから約1ヶ月半ぐらいで実が赤くなります。
真っ赤に熟したら食べ頃です。熟した果実を収穫するのは家庭菜園の魅力です。
朝、涼しいうちに収穫するのがベスト。果実類は収穫する時間帯によって成分が変わるようです。
その他
(1)西日より朝日が当たるところで栽培。
(2)雨に当たらないように軒下栽培がおすすめ。
(3)ミニトマトの実がなりはじめてから、うっかり水をやり忘れて 急に水を与えると、実が割れてしまいます。
(4)タバコをさわった手で苗に触れると、病気になります。 (タバコモザイクウィルス病)
(5)表面に1〜2cmぐらいの厚さに新しい土を足すと 生育が良くなります。
(6)プランタの端にハーブ類を植えると 害虫よけにもなります。(小ネギ、バジル、パセリなど)
大きな効果は期待できませんが 簡単に育つので一石二鳥です。
(7)おいしい果実は鳥にねらわれます。 光を通す農業用ネットで覆う。
この本が参考になります。
プランター菜園の基礎知識(容器、土、肥料、支柱立てなど)と48種の野菜づくり。
図解入りで詳しく説明されています。(全159P)
かんたん!プランター菜園コツのコツ―上岡流 写真図解でわかる逸品づくり