植え付け時期:4月下旬から5月上旬(関東地方)


 ナスはインド原産で太陽と高温を好みます。トマト同様、ナス科の植物ですから葉と花が一定の数ごとにつきます。
ただし、トマトとは正反対でたっぷりの水と肥料が必要です
生育温度もトマトより高めなので、気温が十分上がってから植え付けた方が良いでしょう。

用意するもの
・接ぎ木苗2本
 双葉の枯れていない本葉が7、8枚ついた節間が詰まった茎の太いもの。ナスの品種は長卵形の「千両」が一般的です。苗が小さいときは少し大きめの鉢に移して、しばらく育てると良いでしょう。(鉢上げ)
 ナスの葉やヘタにはトゲがあるので注意してください。結構、大きいトゲもあります。
 苗には実生苗(みしょうなえ)接ぎ木苗(つぎきなえ)があります。病気に強く育てやすいのは接ぎ木苗です。
 写真は初めて購入した「竜馬」という品種です。小振りでジャンジャンできる?と書いてありました。

 接ぎ木苗とは病気に強い苗の根元部分(台木という)と実のなる苗の芽の部分(穂木という)を合体させた苗です。
 よって、写真のように接いだ部分があります。(赤丸部分)
 
 よく台木部分から芽が出ることがあります。これは本来の実のなる部分ではないので摘み取ります。
 そうしないと、ナスの苗を育てていたのに台木から出た芽が育ち、トマトが成ることがあります。
 キュウリの場合はカボチャができたりします。
 
 また、この接いだ部分が土の中にあると、穂木から根が出てしまい、地中から菌が入ってしまいます。
 病気に強い台木を接いだ意味がなくなります。接いだ部分が地中に入らないようにしてください。
         ナスの苗  接ぎ木苗

・プランター(60〜65cm) 1鉢
 
幅64×奥行38×深さ23cmぐらいの菜園プランターがおすすめサイズです。容量は30L以上。
 写真は2008年に追加購入した物です。
 野菜プランター    
 
「野菜プランター700」             立体スノコで通気性が良い?      「菜園上手 丸36型」
 野菜プランター70×30×27.3 容量42L  鉢底石がいらない?           支柱留め具がついた物
 支柱ホルダーが2本付属しています。                            深さ30cm容量20L  

・野菜用培養土14〜25L 1〜2袋
 
培養土は極端に安価でないもの(経験的に)。25Lで500円ぐらいから。
 アイリスオーヤマの粒状培養土は少し水はけが良すぎるかもしれません。
 私は通常の元肥入り培養土を利用しています。

・鉢底石
 
水はけと根腐れ防止のためプランターの底に2〜3cm敷く。
写真はガラスのリサイクル材で超軽量タイプです。12Lで1.5Kgしかありません。
 ジャガイモやタマネギを入れる野菜ネット袋を使えば、再利用の時に用土と鉢底石が混ざりません。(おすすめ
鉢底の土 野菜ネットを利用

・仮支柱(60cmぐらい) 2本
 
イボ竹と呼ばれる園芸支柱など。イボ竹のサイズは直径8mmからなので、もっと細い支柱でもよい。
 写真の上段は4mmの園芸支柱です。(蘭などの支柱用)

・本支柱(90〜120cmぐらい) 6本
 
イボ竹と呼ばれる園芸支柱。太さは直径8から11mmぐらい。(写真の中段、下段は8mmです)
 できれば風等に耐えるために数本で組むのが望ましい。
 ※イボ竹は1本、5本パックがあります。もちろん5本パックがお買い得です。

イボ竹

・細いひもまたはビニタイ
 
園芸用の麻ひもまたはビニタイ。ビニタイ(ダイソーなら105円)の方が作業が楽です。
ビニタイ

・肥料(野菜用)
 
ナス専用でなくても野菜用ならOK。
 化成肥料がダメという訳ではありませんが家庭菜園なら有機肥料でオーガニック栽培をおすすめします。
 
もっとも元肥入り培養土や苗自体には化成肥料が含まれていると思いますが。
 また、水に溶けやすい化成肥料よりゆっくりと効き効果が持続する緩効性肥料がプランター栽培には適しています。
 
おすすめ肥料はアフセップベジタブルなどの有機肥料。

・敷きワラ
 最初の実がなり、追肥したら乾燥を防止のため、敷きワラをします。


育て方の基本
 ナスは病気に強い接ぎ木苗を使い、たっぷりの日光と水が必要です。そして追肥も忘れずに。
実の早取りと8月のせん定で秋なすも収穫。

日照
・半日以上の日当たりが必要。


植え付け
 深型の野菜用プランタの底に鉢底石(鉢底土)を2〜3cmほど入れ、土は市販の元肥入り培養土を入れます。
仮支柱はできれば根から離して土に差し、苗を誘引して8の字にひもでしばる。 植え付け後はたっぷり水をあげる。

 

支柱立て・誘引
 ナスは2本または3本仕立てにします。プランタが小さい場合は2本仕立て(V字仕立て)が良いでしょう。
 3本仕立てにするには最初に着いた花(一番花)のすぐ下2本(赤い矢印の2本のわき芽と主枝の計3)をのばす。
 これより上の側枝はそのまま伸ばします。ただし、枝が混みすぎてきたら、間引きせん定します。(後述)
 また、それより下の茎やわき芽はすべて摘み取ります。




 茎の伸びる方向に一茎に一本の支柱を立てます。計3本。


    画像準備中



仮支柱は取ります。茎と支柱はひもで8の字に結びます。この時、必ずゆるく結んでください。茎はどんどん太くなります。
時々確認して、食い込みそうなら結び直してください。


間引きせん定の方法
 実がついた茎は、その実の先にある葉を一枚残をして切る。そして、その葉の元から出るわき芽を伸ばして実をつけさせる。



肥料・水やり
・ナスは肥料が大好きな野菜です。最初の実がなり始めたら追肥します。その後も15〜20日毎に追肥します 。
 株元から離してプランタの端、苗と苗の間に穴をあけて入れます。
 できれば水は水道から直接あげず、くみ置きしたものをあげます。冷水で根を冷やさないためです。(あまり神経質になることもありませんが)
・追肥の時に、土の表面を軽く耕したり、新しい土を1cmほど足してやると生育に効果的です。

   画像準備中




 最初の実がなり、追肥したら乾燥と病気を防ぐため、株元にわら等を敷きます。

           

ナスの花は中央のめしべが周りのおしべより長いのが正常です。逆の場合は肥料不足です。

ナスの花が落ちてしまう時
 ・生育初期に肥料が効きすぎた。→化成肥料は使わずに遅効性の有機質肥料を使う。追肥を控える。
 ・高温乾燥になり、樹が衰えた。8月の暑い時期(生育後半)に起こりやすい。→更新剪定、根切りで樹を活性化する。

 水やりは梅雨明けまでは1日1回ぐらい。暑さが本格化したら1日2回(朝夕)あげます。
量はプランタのサイズにもよりますが3〜5Lぐらいはあげます。
葉が混み合ってくると病気になりやすいので、必要に応じて下の方の葉を取ります。枯れた葉もこまめに取ります。

収穫
 できれば最初の花は取ってしまう。苗がまだ小さいはずですから、しっかり育つまでは実に栄養を取られないようにします。
 でも最初の実はうれしいので私は小さいうちに収穫します。
その後も10cmぐらいの柔らかい実を早取りします。ヘタのとげに注意してハサミで切ります。


更新せん定で秋ナス収穫
 8月には樹も大きくなり実も色ツヤがなくなってきます。この時期にはわき芽が伸び始めているその先で切り詰めます。
かなり貧弱になりますが、9月には秋ナスが収穫できます。
また、株から約10〜15cm外の土に3カ所移植ゴテを差し込み、根も切ります。

 ナス剪定前 ナス剪定後
           更新剪定前                        更新剪定後


この本が参考になります。

プランター菜園の基礎知識(容器、土、肥料、支柱立てなど)と48種の野菜づくり。
図解入りで詳しく説明されています。(全159P)
かんたん!プランター菜園コツのコツ―上岡流 写真図解でわかる逸品づくり

農業高校の先生が書いたフルカラー(全159P)のガイドです。身近な野菜80種と土作り、水やり、肥料やなどの基礎知識が
掲載されています。、
今日からはじめる野菜づくり

「ミニトマト・ナス・ピーマンの育て方」へ戻る














inserted by FC2 system